よくあるご質問

PETのこと
  • Q.PET検査について教えてください

     PET検査とは、ポジトロン断層撮影法のことで、X線CTのような装置で断層画像を撮影し、病気の原因や病状を的確に診断する新しい検査法です。
     この検査法は、ポジトロンを放出する薬を静脈から注射します。薬が体の中を移動して、体のいろいろなところに集まる様子を、体の外からPETカメラと呼ばれる機械で撮影します。

  • Q.PET検査に使われるくすりはどういうものですか?またどのようにして作られるのですか?

     ポジトロンとは、陽電子といってプラスの電荷を持った電子のことです。
    通常、電子はマイナスの電荷を持っていますがそれとは反対に、ポジトロンは正の電荷を持っています。
    正の電荷をもつポジトロンと負の電荷をもつ普通の電子は互いに引き寄せ合う性質があるため、ポジトロンはすぐに電子と結合します。この結合の瞬間に、ポジトロンも電子も消滅してしまいます。この時、2本の放射線を正反対の方向へ放出します。この放射線をPETカメラで撮影することによって、体の中のポジトロンの様子を画像にするのです。
     がん細胞は正常の細胞よりも分裂が盛んに行われるため、グルコースがたくさん必要とされます。そのためFDGという薬を静脈から注射しますと、がんの病巣にたくさん集まります。その様子をPET装置で体の外から撮影しますと、がんがどこにあるのか(存在の有無)その大きさはどのくらいか(病巣の大きさ)がわかります。
     PET検査用の薬は極めて半減期(寿命)が短いので、院内にある専用の施設で作られます。その施設では、まずサイクロトロンと呼ばれる装置でポジトロン核種を製造し、出来たポジトロン核種を種々の方法で薬の元となる化合物に標識して、目的の薬を作ります。そして純度試験や無菌試験を行い、合格した薬を実際のPET検査に用いるのです。

  • Q.PET検査は何分くらいかかりますか?以前MRIで閉所が苦手だと感じたが、PETは大丈夫ですか?

     PET検査は受付をしてから更衣を済ませて頂いた後、薬剤を注射してしばらく安静をお願いします。検査自体は25分くらいで終わります。
     PET検査の機械はMRIほど狭くはありません。またうるさい音もしませんので安心して検査を受けられます。

  • Q.PET検査でわかるがんは?

     FDGーPET検査はほとんどのがんの診療に有用です。肺がんや大腸がん、食道がん、膵臓がんなどの消化器系のがん、子宮がん、卵巣がんなどの婦人科系のがんや甲状腺がん、乳がん、悪性リンパ腫や骨腫瘍、悪性黒色腫などの診断にも役立ちます。
     PET検査で正確な診断が出来ると治療法や治療範囲を決めるのに大変役立ちます。全身の検索が出来ますから、意図していない病巣が見つかることで、治療範囲や治療計画の変更にも有用な判断材料となるでしょう。

  • Q.PET検査でわからないことは?

     PET検査は尿路系が苦手です。このくすりは腎臓を経て尿中に排泄されます。したがって腎臓や膀胱に病変があっても、薬剤が集まってしまう為、区別がつきません。
    肝臓がん、胃がん、前立腺がんは超音波検査や内視鏡検査などの方が、PET検査より有用なことが多いようです。

  • Q.PET検査は、腫瘍の良性か悪性かの診断に役立つのですか?

     悪性の腫瘍では、FDGの取り込みが高く、良性の腫瘍ではFDGの取り込みが低いことが多いようです。腫瘍へのFDGの取り込みの程度で腫瘍の性質を診断するのですが、全ての腫瘍で悪性が良性かがきちんと鑑別されるわけではありません。

  • Q.以前、がんの治療を受けていますが、PET検査は今後どのように役立つのですか?

     PET検査はがんの転移を見つけるのに大変役立ちます。がんは、転移の有無によって治療法が変わります。この検査は全身の撮影が出来るため、どこに転移するか分からないがんの検査に大変役立ちます。
     前立腺がんでは、原発巣が膀胱と重なりよく分からないことがありますが、膀胱と離れた骨に転移があると、膀胱と重ならないのでPET検査でよく分かります。

  • Q.PETによる被ばくは問題ないですか?

     PET検査ではわずかながら放射線被ばくがあります。PET検査一回あたりおおよそ、2~4mSv(ミリシーベルト;放射線量の単位)になります。これは人が地球上で普通に暮らしていて、一年間の間に自然や体内から受ける平均的な被ばく線量とほぼ同じ量です。このくらいの量では、急性の放射線障害が起きる可能性は一切ありません。また、将来のがんの発生などを心配されているとすれば、その可能性もほとんどないと言えます。
     国際放射線防護委員会によれば、2.2mSvの被ばくによって10000人に1人が将来がんで死亡する可能性があるとされています。これはどんなに少ない放射線でもがんが発生する可能性があるという仮説に基づいて推定された確率ですが、実際にはこの放射線量で発がんが確認された例はありません。また、特定の人がそうなるという意味ではありません。
     結論としては、この程度の被ばくではほとんど心配ないということになります。一般には、放射線被ばくは出来るだけ少なくするのが原則的な考え方です。しかし医療の場合、診療の結果、患者さんが受ける利益が放射線の被ばくによる害を上回ると医師が判断した場合には、特定の被ばく限度を設けなくて良いことになっています。

  • Q.検査前の注意事項は?

     糖の代謝を正しく診断するためには検査当日の朝食から絶食をして頂く必要があります。
    水や砂糖なしのお茶は飲んでも良いのですが甘いものは避けてください。お菓子も検査が終わるまで我慢して頂きます。薬を注射してから撮影までの間には出来るだけ安静にしていて下さい。検査間近に運動などして筋肉を使うと薬が筋肉に集まってしまいますので、特にがんの診断目的の場合には診断が難しくなる場合もあります。また検査の直前には膀胱内にある薬の代謝物を排出するために、排尿をして頂きます。

保険診療について
  • Q.保険適応のPET検査について教えてください

     平成18年4月の保険改正により、新たにPET/CT検査が保険適応となりました。健康保険を適用できるPET検査およびPET/CT検査は、「15O標識ガス剤を用いた場合」と「18F-FDGを用いた場合」の2種類です。
     なお、18F-FDGを用いた場合には、てんかん、虚血性心疾患、悪性腫瘍の診断を目的として、一定の要件を満たす場合に保険適用できることになっています。

  • Q.保険適応疾患について

     色々な制約がありますが、大まかには以下のとおりです。

    悪性腫瘍(早期胃癌を除き悪性リンパ腫をふくむ。)
    他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない患者に使用する。
    心疾患
    虚血性心疾患による心不全患者における心筋組織のバイアビリティ診断(他の検査で判断のつかない場合に限る。)又は心サルコイドーシスにおける炎症部位の診断が必要とされる患者に使用する。
    てんかん
    難治性部分てんかんで外科切除が必要とされる患者に使用する。
  • Q.保険診療の問題点は?

     PET検査に保険適応がなされるのは、限られた疾患のなかでも他の画像診断、病理診断で確定できないものといった条件を満たすものに限られます。こういった診断に用いられる場合は"PET first"(まずPET)ではなく、"PET last"(最終的にPET)と考えられます。

がん関連
  • 治療後なおったか、再発があるかどうかを知りたいときは有用でしょうか?

    治療後の判定は、PET検査はとても有用です。

  • がんの広がりを見たい場合は有用でしょうか?

     PET検査をすることで20%が思わぬ所に転移、40%病期(1期~4期)変更、60%治療方針変更等のデータがあり、PETで正確に診断することができます。
     このことで今後適切な治療法を選択することができ、無駄な手術を避けると考えることができます。酷な面もありますが、闘病意欲を新たにされるとも考えられます。

  • がんがあるかどうか・またはがんかどうかを知るため、PETは有用でしょうか?

     無症状の人のがん検診や、症状、ほかの検査で疑いがある場合は特に有用です。またリンパ節、臓器(肝、骨、脳など)に転移している場合、原発の場所(肺、胃、腸、腎、乳、子宮、卵巣、咽喉、、CT、MR、胃カメラ、泌尿器科、婦人科、耳鼻科、、)を探すのは大変です。PETだと全身チェックが可能であり、簡単な検査で転移が先に見つかることがあります。ものがみつかって、がんかどうか(最終的には、組織診断が必要ですが)PETでは90%程度、正しく診断可能です。陰性の場合は経過観察、生検できない場合に特に有用です。
     PETでより正確に診断することで、治療法が変わり他の検査を減らせます。結果、負担(金銭的、肉体的、精神的)の軽減にもつながります。

  • PET以外の検査と比較してがんの発見率はどうでしょうか?

    悪性腫瘍発見率については、PETによるものが1.15%、それ以外の従来検診によるものが0.05~0.39%というデータがあり、PETが他の検査と比較してがんの発見率がとても優れていることが分かります。

    山中湖クリニック方式
    合計 2.06(%)PET 1.15  PET以外 0.91
    従来検診
    合計 0.497(%) 胃癌集検 0.14 乳癌検診 0.09 肺癌 0.05 大腸癌 0.15 子宮癌 0.067
    東京から肺がんを無くす会
    0.39