ガンマナイフ治療とは

 ガンマナイフ治療はスウェーデンのカロリンスカ病院で考案された放射線治療で、約45年の治療実績があります。開頭手術を行うことなく行える治療のため、患者さんの負担や危険が少ないことが特徴です。
 ガンマナイフとは、コバルトを使用した細かい放射線ビーム(ガンマ線)を、病巣に集中して照射し、がん細胞を殺傷する治療法です。頭部の腫瘍や脳の血管障害、がんの脳転移に対して用いられます。201個の放射線が出る穴を配置したヘルメット状の機器を頭部に装着するもので、頭部にメスを入れることなく治療が行われます。
 原則として数日間の入院ですみ、治療も1~3時間程度と短いので、体への負担が少ない治療法のひとつです。但し、脳腫瘍、脳の異常血管の位置や大きさなどによっては適応とならない場合もあります。また患部に放射線を照射することに変わりはありませんので、吐気や皮膚や粘膜の異常等の副作用が生じる場合もあります。

 全世界で約280台程度が稼働しており、40万例以上の患者様の治療を行っています。日本国内では55台が稼動中で10万例以上の治療を行っています。鹿児島県内では当院が唯一治療を行っており、2002年7月の治療開始以来約3,385例の患者様に治療を行っています.(2016年12月末時点)

治療の原理

 半球状に配置された201個のコバルト線源により焦点に向かってガンマ線のビームが、極めて正確に集中するように作られています。このため正常な組織に障害を至らしめませんが、ガンマ線が集中した領域に強力なエネルギーが発生し病巣を破壊します。まるで、虫眼鏡で太陽の光を集めて火を付けることに似ています。
 照射時には、ガンマ線が貫通する皮膚、骨、脳や血管、神経への影響は少なく、集中した照射を受けた病巣を徐々に凝固・壊死させます。照射中は痛みなどはありません。

ガンマナイフの有用性

短い入院期間

 2泊3日の入院(一般的な開頭手術での入院期間は2週間程度)

深部の病巣の安全な治療が可能に

 照射の誤差は±0.5mm以内と高精度であるため、重要な組織が密集している頭蓋内でも正常な組織にほとんど影響を与えずに治療することができます。外科手術では困難な深い部位や後遺症が心配される部位の治療ができるようになりました。

治療合併症の軽減

 手術に伴う感染症や血管や神経損傷、正常組織の損傷など、一般的な脳外科手術治療に伴う合併症が殆どありません。

経済的利点

 健康保険が適応され、入院期間が短いため、入院費や入院に伴う家族の負担も軽減されます。

適応となる疾患

  • 頭蓋内腫瘍(髄膜腫、転移性脳腫瘍、下垂体腺腫、聴神経腫瘍など)
  • 血管病変(脳動静脈奇形など)
  • 機能性疾患(三叉神経痛(薬物療法による疼痛管理が困難なもの))

入院期間の流れ

 入院期間は通常、2泊3日です

治療の流れ

1.フレーム固定、頭囲計測を行います

  • 髪を切ったり剃ったりする必要はありません
  • 頭部に局所麻酔を注射し、頭部にフレームを金属のピンで4カ所固定します
  • 専用ヘルメットをかぶり治療計画に必要な頭囲の計測を行います

2.画像診断撮影を行います

  • フレームを付けたまま、検査室へ移動します
  • MRI・CT・血管撮影などを行います
  • 治療前の検査は、疾患や症例によって異なりますが、脳腫瘍の治療の場合、そのほとんどがMRI検査になります。造影剤注射も行います

3.治療計画を行います

  • 治療前検査で得られた情報を専用の治療計画装置に転送し、専任の医師と診療放射線技師が協働で綿密に治療計画を立てます
  • 患者様はその間病室でゆっくり過ごされたり、食事をとることも可能です

4.治療(照射)を行います

  • 1回~数回の照射を繰り返します(照射時間などは、病変によって異なります)
  • 照射中は痛みなどはなく、リラックスした状態で 装置のベッドの上に横になっているだけです。ご自分がお好きな音楽を聴くこともできます
  • 照射中の様子をモニターで観察しており、マイクを通じてお話をすることも可能です

5.フレームをはずします

  • 照射後は、治療室で固定ピンとフレームをはずします
  • ピンの刺入部を消毒して絆創膏で保護します 頭部に軽く包帯を巻いて、治療終了です
  • 車椅子で病室に戻ります、安静にしてお過ごし下さい

治療後の経過観察

 治療後は定期的にMRI検査やCT検査で病変部位の縮小や消失を確認していきます。

入院治療時の費用について

 ご提示いただく自己負担限度額認定証の所得区分や、自費負担(個室料)などにより違いますが、約4~30万円となっております。前もって限度額認定証をお持ちいただくことをおすすめします。

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